世界がふり向くアニメ術

劇場版 エースをねらえ!/劇場版 あしたのジョー2 【アニメ術 出﨑統】
第一日曜よる9時

日曜よるは、日本のアニメーション映画を深掘りする。 今や世界を魅了する日本のアニメ映画。名作の本編と共に、
研究者による解説やスタッフのインタビューで、作品の魅力を紐解きます。

『劇場版 エースをねらえ!/劇場版 あしたのジョー2』ほか

『世界がふり向くアニメ術』では、毎月一人の監督、演出家を取り上げ、代表的な劇場用作品を1~2本オンエアします。本編の前後にはアニメ研究の第一人者・氷川竜介さんによる「どこをどう見るべきか」との解説や、制作に携わったタッフたちのインタビューも。「映画」の見方でアニメーションを観る──よく知っていたはずの作品にさえ、きっと新しい発見があることでしょう。

氷川竜介

■ 解説者:氷川竜介

1958年生まれ、東京工業大学卒。明治大学大学院 特任教授。1977年、最初期のアニメ特撮マスコミでデビュー。メーカー勤務を経て2001年に文筆家として独立、数々の媒体に記事を執筆し、「NHK BSアニメ夜話」などに解説者として出演。日本のアニメーション、特撮研究の第一人者である。文化庁メディア芸術祭審査委員、毎日映画コンクール審査委員、声優アワード審査委員、東京国際映画祭プログラミング・アドバイザーなどを歴任。主な編著等:「20年目のザンボット3」(太田出版)、「世紀末アニメ熱論」(キネマ旬報社)、「アキラ・アーカイヴ」(講談社)、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 全記録全集」(カラー)、「日本特撮に関する調査報告書」(文化庁)、「細田守の世界--希望と奇跡を生むアニメーション」(祥伝社)、「ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ」(カラー)など。

11月の放送作品

出﨑統(でざき・おさむ)

光と影を使った実写的な演出、ここぞという時に三度四度と繰り返されるカメラワーク、そしてセル画から絵画のようなタッチに劇的に変わる止め絵……アニメ表現の可能性を大きく広げた孤高の監督のドラマ作りと演出技法にフォーカスします。

プロフィール
〈1943年11月18日生まれ〉

高校時代から貸本漫画を書き始め、1963年に虫プロのアニメーターとして就職。日本初のTVアニメ『鉄腕アトム』のシリーズの間に動画から原画へと昇格し、すぐに仲間たちと別会社を興して独立、そこで『アトム』や『悟空の大冒険』等の演出を手掛けるようになる。1970年、自らの企画で漫画原作の『あしたのジョー』のTVシリーズ監督を務め、迫力ある演出で大きな人気を呼ぶ。以後、『エースをねらえ!』『ガンバの冒険』『元祖天才バカボン』等で腕を振るい、第一次アニメブームの頃には、名作ものシリーズ『家なき子』『宝島』を監督、長年の盟友である作画監督・杉野昭夫とのコンビで、美しい映像とダイナミックなドラマを生み出した。テレビではさらに『おにいさまへ…』『白鯨伝説』ほか、劇場用やOVA作品では『ゴルゴ13』『SPACE ADVENTURE コブラ』『ブラック・ジャック』『劇場版 とっとこハム太郎』シリーズ等を監督。2011年4月17日没。

  • 劇場版 エースをねらえ!/劇場版 あしたのジョー2 【アニメ術 出﨑統】

    11月4日(日)21:00〜

    劇場版 エースをねらえ!/劇場版 あしたのジョー2 【アニメ術 出﨑統】

    〈インタビュー・ゲスト:小林七郎(美術担当)〉

    傑作アニメの見方を研究者・氷川竜介が紐解く『世界がふり向くアニメ術』。11月は作品に映画的演出を巧みに取り込んだ唯一無二の才能・出﨑統監督の傑作を2本立てで。

    劇場版 エースをねらえ!

    1979年 日本
    監督:出﨑統
    出演:岡ひろみ:高坂真琴/宗方仁:野沢那智

    劇場版 あしたのジョー2

    1981年 日本
    監督:出﨑統
    出演:矢吹丈:あおい輝彦/丹下段平:藤岡重慶

〈11月 インタビュー・ゲスト〉

小林七郎
美術担当
小林七郎(こばやししちろう)

「巨人の星」「ど根性ガエル」から「のだめカンタービレ」まで。長年アニメーションの制作の第一線で活躍し、美術のあり方を確立するのに貢献。日本を代表するアニメーション美術家。

12月の放送作品

高畑勲

惜しくも今年4月に亡くなった、世界に誇るアニメの巨匠。初期には劇場用長編『太陽の王子ホルスの大冒険』やTVシリーズ『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』等を監督、徹底的に構築された作品の舞台やキャラクターの人格がドラマにリアリティを与える一方、ビジュアルの表現としては常に技術の革新を目指した求道者。『おもひでぽろぽろ』『かぐや姫の物語』ほか女性を主人公に据え、その生き方に焦点を当てた作品が多いことも特徴的だが、その中の優れた2作品を採り上げる。

プロフィール
〈1935年10月29日東京都生まれ  2018年4月5日没〉

1959年東京大学卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)に入社。演出助手を務めた後、TVシリーズ「狼少年ケン」で初めて演出を担当する。劇場用映画「太陽の王子 ホルスの大冒険」で初監督を務め、1971年、小田部羊一、宮崎駿と共に東映動画を退社。その後は、TVシリーズ「ルパン三世」や「パンダコパンダ」、TVシリーズ「アルプスの少女ハイジ」、「母をたずねて三千里」、「赤毛のアン」、「セロ弾きのゴーシュ」などの演出を手がける。1985年に宮崎駿とともにスタジオジブリの設立に参加。以後、「天空の城ラピュタ」、脚本・監督作品「火垂るの墓」、「おもひでぽろぽろ」など、名作アニメーションを世に送り出す。その他にも、日大芸術学部映画学科などで教鞭を執る傍ら、執筆活動を行う。2013年に発表した14年ぶりの長編作「かぐや姫の物語」は、アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネート。手がけた作品は国内外で高く評価され、1998年には紫綬褒章、2009年にはロカルノ国際映画祭で名誉豹賞を、2015年にはフランス芸術文化勲章オフィシエを受章する。2018年4月、肺がんのため82歳で死去。

  • じゃりン子チエ 劇場版/赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道【アニメ術 高畑勲】

    12月2日(日) 21:00~

    じゃりン子チエ 劇場版/赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道【アニメ術 高畑勲】

    〈インタビュー・ゲスト:小田部羊一(作画担当)〉

    傑作アニメの見方を研究者・氷川竜介が紐解く『世界がふり向くアニメ術』。今回は巨匠・高畑勲監督作を2本立てで。監督がアニメーションに求めたものは何かを紐解きます。

    「じゃりン子チエ 劇場版」

    1981年 日本
    監督:高畑勲
    出演:竹本チエ:中山千夏/竹本テツ:西川のりお

    「赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道」

    2010年 日本
    監督:高畑勲
    出演:アン: 山田栄子/マリラ:北原文枝

〈12月 インタビュー・ゲスト〉

小田部羊一
作画監督/キャラクター・デザイン
(『じゃりン子チエ 劇場版』)
小田部羊一(こたべよういち)

高畑勲、宮崎駿が中核となった劇場用作品『太陽の王子ホルスの大冒険』『パンダコパンダ』2作、TVシリーズ『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』などで、原画、作画監督、キャラクターデザインを手掛け、両者と創造的なトライアングルを形成したベテラン中のベテラン。ふっくらとした優しい絵柄は子どもにも大人にも大人気。任天堂のゲーム「スーパーマリオブラザーズ」への貢献でも知られている。